開発会社・制作会社と連絡が取れないときに最初の1週間でやること|倒産・廃業でもサイトとシステムを止めない

開発会社・制作会社と連絡が取れない、倒産したときに最初の1週間でやることを解説。ドメイン・サーバー・メールの名義と期限の確かめ方、ソースコードの扱い、次の会社へ引き継ぐ進め方をまとめました。
目次
1.開発会社と連絡が取れないとき、まず起きること
1-1.返事が無いだけのとき
1-2.倒産・廃業の知らせが来たとき
1-3.すぐに消えるとは限らない。止まるのは期限が来たとき
2.最初の1週間で確かめる5つ
2-1.ドメインの名義と更新期限
2-2.サーバーの契約者と、メールの行き先
2-3.Googleのアカウントなど外部サービスの権限
2-4.データとバックアップ
2-5.ソースコードと契約書
3.自社の名義でなかったときの動き方
4.次の会社へ引き継ぐ進め方
4-1.相談の前に用意しておくもの
4-2.作り直すか、引き継ぐか
4-3.制作途中だった・支払いが残っている場合
5.想定の例|受注のシステムを作った会社と連絡が取れなくなった
6.開発会社と連絡が取れないときのよくある質問
6-1.連絡が取れないまま放っておくと、どうなりますか?
6-2.会社のメールアドレスも使えなくなりますか?
6-3.個人の制作者(フリーランス)と連絡が取れない場合も同じですか?
6-4.Webサイトではなく、業務のシステムやアプリでも同じですか?
6-5.サイトが改ざんされていたら?
7.まとめ|連絡が取れなくなったら、名義と期限から確かめる
8.FAQ 案(microCMS の FAQ の欄に入れる)
問い合わせても返事が来ない、電話がつながらない、ある日「事業を終了しました」という知らせが届いた。ホームページや業務のシステムを任せていた開発会社・制作会社と連絡が取れなくなると、今は動いていても、この先どうなるのかが分からず不安になります。
実際に困るのは、ドメインの更新やサーバーの支払いが相手の名義のまま止まり、ある日サイトやメールが使えなくなることです。何が自社の手元にあり、何が相手の側にあるのかが分からないまま時間が過ぎていくのが、いちばん危ない状態といえます。
まず確かめるのは「名義」と「期限」です。ドメイン、サーバーとメール、外部サービスの権限、データ、ソースコードと契約書について、誰の名義か、いつ切れるかを順に確かめ、期限の近いものから手を打ちます。作り直すか引き継ぐかは、そのあとで決めても間に合うことがほとんどです。
開発会社と連絡が取れないとき、まず起きること
連絡が取れない状況は、大きく分けると、返事が無いだけのときと、倒産・廃業の知らせが来たときの2つです。どちらの場合も、サイトやシステムがその日のうちに止まるとは限らず、止まるのは多くの場合、ドメインやサーバーの契約の期限が来たときです。

返事が無いだけのとき
担当者が忙しい、退職した、体調を崩しているなど、会社としては続いている場合もあります。メールだけでなく、電話、問い合わせフォーム、代表のアドレスなど連絡の手段を変えて、いつ・何で連絡したかを記録に残しておくと、あとで次の会社や弁護士に相談するときの材料になります。
相手の会社が今どうなっているかは、公の記録で確かめられます。会社の登記事項証明書は、法務局の窓口のほか、郵送やオンラインでも請求でき、商号や本店の所在地、解散の登記があるかなどを見られます。また、裁判所が破産手続の開始を決めたときは、そのことが官報に公告されると破産法で決められています。
倒産・廃業の知らせが来たとき
知らせが届いたら、差出人(会社か、代理人の弁護士か)と日付、連絡先を控えておきます。破産の手続に入っている場合、支払いや成果物の扱いには法律上の手続きが関わるので、どう動くかは弁護士に相談してから決めてください。
ただ、手続きの行方とは別に、自社のサイトやシステムを止めないための確かめは今日から始められます。次の節で、その順番を説明します。
すぐに消えるとは限らない。止まるのは期限が来たとき
ドメインとサーバーは、多くの場合1年ごとなどの期間で契約していて、支払い済みの期間のうちは動き続けます。逆にいえば、期限が来たときに誰も更新しなければ止まるので、「いつ切れるか」を先に知ることが、何よりも大事になります。
最初の1週間で確かめる5つ
確かめる順番は、止まったときの影響が大きく、期限で止まりやすいものからです。下の表を上から順に埋めていくと、自社で動かせるものと、相手の側にしかないものが分かれます。

確かめるもの | どこで確かめるか | 自社の名義なら | 相手の名義なら |
ドメイン | WHOIS・更新の請求書・管理画面 | 更新日を控え、自動更新を確かめる | 管理している会社に問い合わせる |
サーバーとメール | 請求書・カードの明細・管理画面 | 支払い方法を自社に切り替える | 期限と、移す先を考える |
外部サービスの権限 | 各サービスの管理画面 | 自社の担当者を管理者に足す | 持ち主を確かめる |
データ | 管理画面・バックアップの設定 | 控えを取る | 公開中の画面から取れる分を控える |
ソースコードと契約書 | 社内の書類・納品物 | 保管場所を1か所にまとめる | 納品物に入っていたかを契約書で確かめる |
ほかの会社が作ったシステムを引き継ぐときに手元にそろえるものは、「他社が作ったシステムの引き継ぎ|作った人がいない・保守を断られたときの進め方」でも詳しく書いています。
ドメインの名義と更新期限
ドメインは、サイトのアドレスと会社のメールアドレスの両方を支えているので、最初に確かめます。「.jp」で終わるドメインなら、JPRS の WHOIS(https://whois.jprs.jp/ )で登録者名などの登録情報を調べられ、そこに自社の名前があるか、制作会社の名前になっているかが分かります。
更新の期限は、更新の請求書や、ドメインを管理している会社の管理画面で確かめます。名義が相手のままで期限が近い場合は、ドメインを管理している会社に、どんな手続きができるかを早めに問い合わせてください。どこまで応じてもらえるかは会社ごとに違うので、この記事では言い切りません。
サーバーの契約者と、メールの行き先
サーバーについては、毎月や毎年の請求書が自社に来ているか、カードの明細にサーバー会社の名前があるか、管理画面にログインできるかを確かめます。制作会社が代わりに契約して支払っていた場合、自社には請求書も管理画面も無いことが多く、その場合は相手の側にしか手続きの権限がないと考えて動きます。
あわせて、会社のメールがどこで動いているかも確かめてください。サイトと同じサーバーでメールも受けていると、サーバーが止まった日にメールも届かなくなるため、取引先とのやり取りに直接響きます。
Googleのアカウントなど外部サービスの権限
サイトのアクセスを見る Google アナリティクスや Search Console、地図に出る Google ビジネスプロフィール、システムが動いているクラウド(AWS など)は、サーバーとは別にアカウントの持ち主がいます。それぞれの管理画面を開いて、自社の担当者が管理者として入っているかを確かめ、入っていなければ、持ち主が誰かを書き出しておきます。
業務のシステムやアプリの場合は、とくにクラウドの管理権限が大事です。サーバーやデータベース、アプリの配布の設定まで、そこに集まっていることが多いからです。
データとバックアップ
サイトやシステムが動いているうちに、取れる範囲で控えを取ります。管理画面に入れるなら、記事や画像、顧客や注文のデータを書き出し、入れない場合でも、公開中のページの文章や画像は手元に保存しておけば、作り直すときの材料になります。
ソースコードと契約書
ソースコードは、システムやサイトを直したり、別の会社に引き継いだりするときの土台です。著作権法では、著作者は「著作物を創作する者」とされ、プログラムも著作物に含まれます。また、著作権は譲渡できると定められているので、ソースコードの権利が自社に移っているかどうかは、契約で何を決めていたかによります。
まず契約書と納品のときの記録を見て、ソースコードが納品物に入っていたか、権利の扱いがどう書かれていたかを確かめてください。どう読めばよいか、相手にどう求められるかの判断は、弁護士に相談することをおすすめします。
自社の名義でなかったときの動き方
5つを確かめて、自社の名義でないものが見つかったときは、期限の近いものから動きます。まずは、ドメインやサーバーを管理している会社に、契約者が連絡の取れない状態であることを伝え、どんな手続きができるかを聞きます。

相手の会社がまだ続いていて、連絡さえつけば渡してもらえそうなら、名義の変更や移管を書面で頼みます。倒産の手続きに入っている、話がこじれそう、といった場合は、自分たちだけで進めず、弁護士に相談してから動いてください。当社のような開発会社が手伝えるのは技術の面で、権利や支払いについての判断は弁護士の領分です。
相手の側にしか無いものが取り戻せない場合でも、自社で新しくドメインとサーバーを契約し、控えたデータや公開中の画面をもとに作り直す道は残ります。そのときは、新しい契約を最初から自社の名義で結ぶことが、同じことを繰り返さないための一番の備えになります。
次の会社へ引き継ぐ進め方
確かめた結果がそろったら、次の会社に引き継げるかを相談します。当社では、相談のあと、ソースコードや資料、管理画面を預かって現状を調べ、分かったことを、事実・推測・まだ確かめていないことに分けて報告してから、保守を続けるか、直すか、作り直すかを一緒に決めます。

現状の調べでは、AIでコードと資料を読み、どんな画面や処理があるか、どのデータをどこに保存しているかを洗い出し、そのうえでエンジニアが確かめます。作った人がいなくても、中身から全体をつかめるので、資料が古いシステムでも、引き受けられるかどうかを早く判断できます。
相談の前に用意しておくもの
相談のときは、前の節の表で確かめた結果があると、話が早く進みます。完全に埋まっていなくても構わないので、分かっている所と分からない所が見える形で持ってきてください。
用意しておくもの | 無い場合 |
5つを確かめた結果(名義・期限・ログインできるか) | 分からない所は「不明」のままでよい |
契約書・見積書・納品のときの書類 | 請求書やメールのやり取りでも手がかりになる |
サイトやシステムのアドレス、管理画面のアドレス | 社内で使っている画面の写真でもよい |
前の会社との最後のやり取りの日付と内容 | 覚えている範囲でよい |
当社は、相談の窓口がエンジニアでもある代表なので、持ち帰らずに、その場で技術の面から見通しをお話しできます。
作り直すか、引き継ぐか
ソースコードと管理の権限が手に入るなら、まずは今のものを引き継いで動かし続け、直すか作り直すかは中身を調べてから決めるのがおすすめです。慌てて作り直しを始めると、今のサイトやシステムでできていたことが新しい方で抜け落ちやすいので、先に止めないことを優先し、作り直しはそのあとで考えます。
ソースコードが手に入らない場合は、公開中の画面や出力されるデータから分かることを集めて作り直すことになり、できることはかなり限られます。その場合も、何が分かり何が分からないかを先に整理しておくと、作り直しの範囲と費用の見通しを立てやすくなります。
制作途中だった・支払いが残っている場合
作っている途中で連絡が取れなくなった、リースや分割の支払いだけが残っている、という相談もあります。途中までの成果物を受け取れるか、残りの支払いをどう扱うかは、契約の中身と相手の状況によって大きく変わるので、まず弁護士に相談してください。
技術の面では、途中までのソースコードや画面の資料が手元にあれば、それをもとにどこまでできているかを調べられます。他社が途中まで作った開発を引き継ぐ場合も、同じように全体をつかむところから始めます。
想定の例|受注のシステムを作った会社と連絡が取れなくなった
ここでは、よくありそうな場面を想定の例として書きます。実際の案件ではありません。
社内の受注を管理するWebのシステムについて、作った開発会社からの返事が数か月途絶え、登記を確かめると解散の登記が入っていた、という場面です。システムはまだ動いていますが、サーバーは開発会社がクラウドで契約しており、自社には請求書も管理画面もありません。
この場合、まずクラウドの契約の期限と支払いの状況を、クラウドの会社に問い合わせて確かめ、並行して、受注のデータを画面から書き出せるだけ書き出して控えます。契約書を見るとソースコードは納品物に入っていたので、納品のときのファイルを社内で探し、見つかったものをもとに、新しく自社の名義で契約したクラウドへ移せるかを調べる、という順番になります。権利や残りの契約の扱いは、並行して弁護士に相談します。
開発会社と連絡が取れないときのよくある質問
連絡が取れないまま放っておくと、どうなりますか?
ドメインやサーバーの期限が来たときに更新されず、サイトやメールが使えなくなるおそれがあります。期限がいつかが分からないこと自体が危ないので、まず請求書や管理画面、WHOIS で確かめてください。
会社のメールアドレスも使えなくなりますか?
メールがどこで動いているかによります。サイトと同じサーバーや、相手の名義のドメインでメールを受けている場合は、そのサーバーやドメインが止まると届かなくなるので、早めに確かめてください。
個人の制作者(フリーランス)と連絡が取れない場合も同じですか?
確かめることの順番は同じです。名義が個人の名前になっていることもあるので、WHOIS や請求書で、誰の名前で契約されているかを確かめてください。
Webサイトではなく、業務のシステムやアプリでも同じですか?
確かめる考え方は同じですが、業務のシステムでは、クラウドの管理権限とソースコードの重みが大きくなります。ほかの会社が作ったシステムの引き継ぎ方は、「他社が作ったシステムの引き継ぎ」も参考にしてください。
サイトが改ざんされていたら?
管理する人が分からないうちにサイトが書き換えられていた場合は、引き継ぎより先に被害を止める手順が要ります。「ホームページが乗っ取られた時の対処法」で、最初にすることを順に書いています。
まとめ|連絡が取れなくなったら、名義と期限から確かめる
開発会社・制作会社と連絡が取れなくなっても、サイトやシステムはその日のうちに止まるとは限りません。止まるきっかけになるのはドメインやサーバーの期限なので、名義と期限を先に確かめ、期限の近いものから手を打つことで、落ち着いて次の手を考えられます。
- まず、ドメイン・サーバーとメール・外部サービスの権限・データ・ソースコードと契約書の5つで、名義と期限を確かめる
- 動いているうちに、取れる範囲でデータの控えを取る
- 自社の名義でないものは、管理している会社に問い合わせる。権利や支払いの判断は弁護士に相談する
- 作り直すかどうかは、中身を調べてから決める
デイワンでは、開発会社と連絡が取れなくなった、倒産してしまった、というシステムやサイトを、中身を調べたうえで引き継ぐご相談をお受けしています。引き受けられるかどうかのお返事までは無料ですので、確かめた結果が途中でも、お気軽にご相談ください。
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FAQ 案(microCMS の FAQ の欄に入れる)
1. Q: 開発会社と連絡が取れないとき、最初に何をすればいいですか?
A: ドメイン、サーバーとメール、外部サービスの権限、データ、ソースコードと契約書の5つについて、誰の名義か、いつ期限が切れるかを確かめます。期限の近いものから手を打ちます。
2. Q: 制作会社が倒産したら、ホームページはすぐに消えますか?
A: すぐに消えるとは限りません。多くの場合、止まるのはドメインやサーバーの契約の期限が来て更新されなかったときです。
3. Q: ドメインが制作会社の名義になっているか、どうやって確かめますか?
A: 「.jp」のドメインなら JPRS の WHOIS で登録者名などを調べられます。更新の期限は請求書や管理画面で確かめます。
4. Q: ソースコードは自社のものですか?
A: 著作権は譲渡できますが、自社に移っているかは契約で決めた内容によります。契約書と納品の記録を確かめ、判断は弁護士に相談してください。
5. Q: 引き継ぎを相談するとき、何を用意すればいいですか?
A: 5つを確かめた結果、契約書や請求書、サイトや管理画面のアドレス、前の会社との最後のやり取りの日付です。分からない所は不明のままで構いません。
よくある質問
- 開発会社と連絡が取れないとき、最初に何をすればいいですか?
- ドメイン、サーバーとメール、外部サービスの権限、データ、ソースコードと契約書の5つについて、誰の名義か、いつ期限が切れるかを確かめます。期限の近いものから手を打ちます。
- 制作会社が倒産したら、ホームページはすぐに消えますか?
- すぐに消えるとは限りません。多くの場合、止まるのはドメインやサーバーの契約の期限が来て更新されなかったときです。
- ドメインが制作会社の名義になっているか、どうやって確かめますか?
- 「.jp」のドメインなら JPRS の WHOIS で登録者名などを調べられます。更新の期限は請求書や管理画面で確かめます。
- ソースコードは自社のものですか?
- 著作権は譲渡できますが、自社に移っているかは契約で決めた内容によります。契約書と納品の記録を確かめ、判断は弁護士に相談してください。
- 引き継ぎを相談するとき、何を用意すればいいですか?
- 5つを確かめた結果、契約書や請求書、サイトや管理画面のアドレス、前の会社との最後のやり取りの日付です。分からない所は不明のままで構いません。
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記事を読むこの記事を書いた人

株式会社デイワン 代表取締役 月森 隼人
不動産コンサルタント、注文住宅やマンションなどの企画営業を経験し、大手広告代理店のデジタル部署にて、Web領域でのブランディングややディレクションなど上流から幅広く担当。






