ホームページを放置するリスク|乗っ取り・ドメイン失効・証明書切れを防ぐ点検の手順

作ったきりのホームページで起きる問題は、情報が古いことだけではありません。乗っ取り、ドメインの失効、証明書の期限切れ、サーバーの版上げでの停止、問い合わせの取りこぼしなど、放置で起きる事故の仕組みと、まず確かめたい8つの点検項目、放置したサイトの扱い方を解説します。
目次
1.まず押さえること
2.ホームページを放置すると起きること
3.突然の事故につながるリスク
3-1.CMSやプラグインの弱点を突かれて、乗っ取られる
3-2.ドメインの更新を忘れて、サイトとメールが止まる
3-3.SSL証明書の期限が切れて、ブラウザに警告が出る
3-4.サーバーの古い版が、表示崩れや停止の原因になる
3-5.問い合わせフォームが、気づかないうちに止まっている
3-6.ログイン情報を知る人がいなくなる
4.信用と集客で、じわじわ失うもの
4-1.会社の情報が古いままになる
4-2.「動いている会社なのか」と思われる
4-3.問い合わせと応募が、ほかの会社へ流れる
5.放置しているホームページの点検リスト
6.放置したホームページをどうするか
7.放置しないための体制
8.まとめ
9.放置したホームページを、まず無料で診断する
「ホームページを作ってから、何年も中身を見ていない」「更新のしかたが分からないので、そのままにしている」。作ったあとのホームページが放っておかれるのは珍しいことではなく、見た目が変わらないぶん、困ったことが起きていても気づきにくいものです。
ただ、放置したホームページで起きる問題は「情報が古い」だけではありません。ある日突然、乗っ取られて怪しいサイトへ転送される、ドメインが切れてサイトもメールも止まる、といった事故につながることがあります。この記事では、放置で起きることを仕組みから説明し、まず何を点検すればよいかを手順にしてまとめます。
まず押さえること
ホームページを放置するリスクは、ある日突然起きる事故と、気づかないうちに失っていくものの2つに分けられます。ドメインや証明書の期限切れ、CMSやサーバーの版の古さから起きる事故は、点検する項目を決めて定期的に見ておけば、前もって気づける可能性が高くなります。
- 突然の事故:乗っ取り・改ざん、ドメインの失効、証明書の期限切れ、サーバーの版上げでの停止、問い合わせの取りこぼし、ログインできない
- じわじわ失うもの:会社の信用、問い合わせ、採用の応募
- まずすること:この記事の点検リストの8項目を、たとえば半年に1回確かめる
ホームページを放置すると起きること
放置で起きることを、何が起きるか、どこで気づくかと合わせて並べると、次のようになります。気づくきっかけが「お客様からの指摘」になってしまうものほど、前もって点検しておく意味があります。
リスク | 何が起きるか | 気づくきっかけ |
乗っ取り・改ざん | 古いCMSやプラグインの弱点を突かれ、ページを書き換えられたり、怪しいサイトへ転送されたりする | お客様からの指摘、検索結果やブラウザの警告 |
ドメインの失効 | 更新を忘れるとサイトとメールが止まる。手放したあとは第三者に取られることがある | サイトが開かない、メールが届かない |
証明書の期限切れ | ブラウザに警告が出て、訪問者がサイトを開かなくなる | ブラウザの警告の画面 |
サーバーの版の古さ | 古い版のまま弱点が残る。版を上げた途端に表示が崩れたり止まったりする | サーバー会社からの通知、画面のエラー |
問い合わせの取りこぼし | フォームの送信先や設定が古いまま、問い合わせが届かない | 「連絡したのに返事がない」と言われる |
ログインできない | 担当者の退職や制作会社との連絡切れで、直したくても入れない | いざ直そうとしたとき |
信用・集客・採用 | 古い情報や止まったお知らせから、動いていない会社に見える | 問い合わせや応募が減る |
突然の事故につながるリスク
ここからは、表の上の6つを順に説明します。どれも、放っておいた時間が長いほど起きやすくなり、起きてからでは直すのに時間と費用がかかるものです。
CMSやプラグインの弱点を突かれて、乗っ取られる
WordPressなどのCMSは、本体やプラグインの更新で、後から見つかった弱点(脆弱性)を直しています。更新しないまま放っておくと、すでに知られた弱点が残り続け、それを狙った攻撃で管理画面に入られることがあります。
乗っ取られると、ページの書き換え、怪しいサイトへの転送、身に覚えのないページの埋め込みなどをされ、訪問者にまで被害が及びます。気づいたときにすることは「【重要】ホームページが乗っ取られた時の対処法|WordPressの改ざんから安全に復旧する手順」にまとめています。
ドメインの更新を忘れて、サイトとメールが止まる
ドメイン(ホームページやメールの住所)は、毎年など決まった期限ごとに更新が要ります。更新の案内が辞めた担当者のメールアドレスに届いていたり、支払いのカードが切れていたりすると、気づかないうちに期限が過ぎ、サイトとメールが一緒に止まります。
さらに怖いのは、手放したドメインを第三者に取られることです。.jp を管理する日本レジストリサービス(JPRS)の資料「ドメイン名の廃止にあたっての注意」(2023年3月)は、廃止されたドメインが再び登録できるようになる瞬間を狙って取られる「ドロップキャッチ」を取り上げ、残っていたリンクやブックマークから偽サイトや詐欺サイトへ誘導されたり、同じメールアドレスを作られてSNSなどのアカウントを乗っ取られたりするおそれがあると注意しています。
同じ資料は、商標の侵害などの事情が無い限り、第三者による登録や利用を止めてもらうことはできないとしています。ドメインは自動更新にし、更新の連絡先は個人ではなく会社の共有のアドレスにしておきます。
SSL証明書の期限が切れて、ブラウザに警告が出る
https で始まるサイトは、通信を暗号化するための証明書を使っています。証明書には有効期限があり、切れるとブラウザが警告の画面を出すため、訪問者はサイトを開く前に離れてしまいます。
この期限は、これから短くなっていきます。ブラウザの会社と証明書の発行元でつくる業界団体(CA/Browser Forum)は2025年4月に、証明書の最長の有効期間を2026年3月から段階的に短くし、2029年3月には47日にすることを決めました。人の手で年に1回更新する運用は成り立ちにくくなるので、自動で更新される設定になっているかを、サーバー会社や制作会社に確かめておきます。
サーバーの古い版が、表示崩れや停止の原因になる
ホームページを動かすサーバーの上でも、PHPなどのプログラムの版が古くなっていきます。PHPの公式サイトによると、PHP 8.1は2025年12月31日でセキュリティの修正も終わり、8.2も2026年12月31日に終わる予定です。
修正が終わった版を使い続けると、弱点が直らないまま残ります。一方で、放置していたサイトの版を急に上げると、古いプラグインやテーマが新しい版に合わず、表示が崩れたり、ページが開かなくなったりすることがあります。
版を上げる前には、検証用の環境で表示を確かめてから本番を切り替えます。サイトが開かなくなったときの切り分けは「ホームページが開かない原因と解決方法|初心者でもできるサーバーの対処とは」を参考にしてください。
問い合わせフォームが、気づかないうちに止まっている
問い合わせフォームは、サイトの見た目が変わらないまま、送信先のメールアドレスが辞めた人のものになっていたり、届いたメールが迷惑メールに振り分けられていたりすることがあります。こうなると、問い合わせが来ていても誰も気づかず、相手からは「連絡したのに返事がない会社」に見えてしまいます。
自分でテスト送信をして、決めた宛先に届くか、自動の返信が出るかを確かめるのが一番確実です。フォームに迷惑な送信が増えていないかも、合わせて見ておきます。
ログイン情報を知る人がいなくなる
管理画面、サーバー、ドメインのログイン情報を、辞めた担当者や前の制作会社だけが持っていることがあります。この状態で何か起きると、直したくても入れず、ドメインやサーバーの持ち主を確かめるところから始めることになります。
ログイン情報は会社として一か所で管理し、誰が何を持っているかを一覧にしておきます。管理を別の会社に移したい場合の注意点は、「ホームページ管理の乗り換えをするメリット・注意点・選び方を解説」にまとめています。
信用と集客で、じわじわ失うもの
事故ほど目立ちませんが、放置したホームページは、見に来た人の判断にも影響します。お客様、取引先、応募を考えている人は、会社を調べるときにホームページを見ることがあるからです。
会社の情報が古いままになる
移転前の住所、使っていない電話番号、辞めた代表者の名前が残っていると、連絡をくれた人を迷わせるうえに、会社の管理が行き届いていない印象を与えます。会社の基本の情報は、変わったその日に直すものとして扱います。
「動いている会社なのか」と思われる
お知らせの最新の日付が何年も前だと、見た人は今も営業しているのかを疑います。自社のページがいつ更新されたように見えているかは、「ホームページの更新日を簡単に調べる方法|便利なツールと実践ガイド」の方法で確かめられます。
問い合わせと応募が、ほかの会社へ流れる
知りたい情報が載っていない、載っていても古いと、見た人は答えが載っているほかの会社のサイトへ移ります。採用でも、仕事の中身や働き方が分からない会社は、応募の候補から外されやすくなります。
放置しているホームページの点検リスト
次の8項目を確かめると、ここまでのリスクを前もって見つけやすくなります。社内で分からない項目は、サーバー会社や制作会社に聞いて埋めてください。
点検すること | 確かめ方 | 問題があったら |
ドメインの有効期限 | ドメインを取った会社の管理画面、更新の案内のメール | 自動更新にし、連絡先を会社の共有のアドレスにする |
証明書の期限と自動更新 | ブラウザのアドレス欄の表示、サーバーの管理画面 | 自動で更新される設定にする |
CMS・プラグイン・テーマの版 | 管理画面の更新の表示 | 更新し、使っていない物は削除する |
サーバーのPHPの版 | サーバーの管理画面 | サポートが続く版にする。上げる前に表示を確かめる |
ログイン情報の持ち主 | 管理画面・サーバー・ドメイン・Googleのアカウントの一覧 | 会社で管理し、辞めた人や前の制作会社のアカウントを消す |
バックアップ | 自動で取れているか、実際に戻せるか | サーバーとは別の場所に、何世代か前まで残す |
問い合わせフォーム | 自分でテスト送信する | 送信先と迷惑メールの扱いを直す |
会社の情報とお知らせ | 住所・電話・代表者・事業内容・最新のお知らせ | 今の情報に直し、止めるお知らせ欄は消す |
自社のサイトが何で作られているか分からない場合は、「このホームページは何で作られてる?WappalyzerでCMSや制作会社を瞬時に特定!」で確かめられます。外から見える弱点を確かめる道具は、「【無料 / 有料】ホームページの脆弱性診断ツールと、プロに依頼するメリット・選び方」で紹介しています。
放置したホームページをどうするか
点検してみて問題が多かった場合、取れる道は大きく4つあります。今のサイトの状態と、これからホームページに何をさせたいかで選びます。
選び方 | 向いている場合 | 気をつけること |
今のサイトを直して使い続ける | 中身はまだ使え、更新と点検をすれば足りる | 古いプラグインやテーマの入れ替えが要ることがある |
管理を別の会社に引き継ぐ | 作った会社と連絡がつかない、保守が止まっている | ログイン情報とドメインの持ち主を先に確かめる |
作り直す | 構成や見た目が今の事業に合わず、直すより早い | 作り直すまでの間も、今のサイトの点検は続ける |
閉じる | ホームページを使う予定がない | ドメインは手放さずに更新を続ける |
閉じる場合も、ドメインは手放さないでください。前に出てきたJPRSの資料も、トラブルを防ぐのに最も有効なのはドメインの登録を続けることだとしています。
作り直すかどうか迷う場合は、「WEBサイトのリニューアルはいつするべき?進め方や効果もあわせて解説します!」も参考になります。
放置しないための体制
ホームページが放置される背景には、担当が決まっていない、担当者が何をすればよいか分からない、といった事情があります。社内で持つことと外に任せることを分け、それぞれ誰がするかを決めておきます。
社内で持つのは、会社の情報やお知らせの更新、問い合わせの受け取り、ログイン情報とドメインの管理です。CMSやサーバーの更新、バックアップ、脆弱性の情報の確認、障害のときの対応は、知識の要る作業なので、保守として外部に任せる方法があります。
外部に任せるときは、何を任せ、何が別料金かを契約で決めておかないと、いざというときに「それは対象外」と言われることがあります。契約で決めておく項目は「【雛形】Webサイトの保守契約書テンプレートを配布!個人・制作会社以外の選択肢」、費用の考え方は「ホームページ維持費の内訳と相場|削ってよい費用と、削ると危ない費用」にまとめています。
まとめ
ホームページの放置は、見た目が変わらないぶん問題に気づきにくく、乗っ取り、ドメインの失効、証明書の期限切れのような事故として、ある日突然表に出ます。期限切れや版の古さから起きるものは、点検する項目を決めて定期的に確かめておけば、前もって気づけます。
- 放置のリスクは、突然の事故と、信用・問い合わせ・採用でじわじわ失うものの2つ
- ドメインは自動更新にし、手放さない。閉じるときも更新を続ける
- 証明書の期限は2029年までに47日へ短くなるので、自動で更新される設定にする
- CMS・プラグイン・PHPの版を確かめ、上げる前には表示を確かめる
- ログイン情報は会社で一か所にまとめ、辞めた人と前の制作会社のアカウントを消す
放置したホームページを、まず無料で診断する
「点検リストを見ても、自社のサイトがどうなっているか分からない」という場合は、当社の無料セキュリティ診断をお使いください。株式会社デイワンはこれまで300社以上の企業・団体のWebサイトの制作・運用に携わっており、ご希望の企業を対象に、Webサイト・Webサービスの簡易セキュリティ診断を無料で行っています。
診断は、範囲と進め方を15分ほどでご説明し、ご了承をいただいてから、公開されている範囲を確認する形で行います。診断そのものに費用はかからず、対応が必要な箇所が見つかった場合にだけ、修正のお見積りを別にお送りします。当社が作っていないサイトの修正や保守も、あわせてご相談いただけます。
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【重要】ホームページが乗っ取られた時の対処法|WordPressの改ざんから安全に復旧する手順
記事を読むこの記事を書いた人

株式会社デイワン 代表取締役 月森 隼人
不動産コンサルタント、注文住宅やマンションなどの企画営業を経験し、大手広告代理店のデジタル部署にて、Web領域でのブランディングややディレクションなど上流から幅広く担当。






